借金にお悩みの方へ
- 木村哲司
- 2020年7月30日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年11月4日
よくがんばりましたね。手取り18万円の中から毎月10万円も返済していたのですから、どうして暮らしていたのかと心配になってしまいます。苦しかったでしょう。6つもの業者から800万円近い借金があるとなると、毎月6回返済期日が来るわけですよね。

返済期日の何日か前から、今度はどうやって返そうかと気が気ではなかったでしょう。あっちの業者から借りてこっちの業者に返し、こっちの業者から借りてあっちの業者に返すという自転車操業も限界でしたよね。家賃を払うとほとんどお金は残らず、食べるだけでいっぱいいっぱい。食費を1日500円に抑えようとして、食パンしか食べられなかったんですよね。しかも、端の方を切り落としたのを一袋50円で買ってきて。そんな生活を続けていると、栄養不良で湿疹出たりしませんでしたか。
しかも新コロナウイルス騒動。職場が休みになってしまい、収入が途絶えてしまいました。返済なんかできるわけがありません。
でも大丈夫です。なんとかなります。新規まき直しといきましょう。
借金を整理の方法はいろいろあります。裁判所に行かないのが、「債務整理」ってやつです。要する業者とかけあって、分割払いの約束をします。ただ、返済できる金額はせいぜい手取りの3分の1。それを3年間で返済するのが原則です。36回払いということですね。
裁判所に行くやり方は、「破産」と「民事再生」とがあります。「破産」はすべて返済しなくてよくする手続き、「民事再生」は借金の金額を大幅にカットしてもらって、分割返済する方法です。
上記の「債務整理」は現在残高だけを分割払いするという方法、「民事再生」は、現在残高の幾分かをカットしてもらって、残った金額を分割払いするという方法です。カットしてもらう分だけ「民事再生」の方が有利なように見えます。しかし、弁護士に申立てを依頼せずに自分だけで処理するのはなかなかむずかしいので、弁護士報酬を支払う必要があります。再生計画案、すなわちカットされた残額を分割で支払っていく案について裁判所の認可をもらわなければなりませんが、再生計画案の中身にいろいろ縛りがあります。また時間も債務整理よりは長めにかかります。再生監督委員という弁護士さんにその報酬として少なくとも20万円を支払う必要もあります。

実は、法人であればともかく、個人の方が民事再生を申し立てるメリットは、住宅を残せる場合があるという一点にかかります。住宅を持っていて、住宅ローンを支払っている方は、住宅ローンの支払いは続け、住宅を手放さずに済む場合があります。住宅ローンの残高は減額されませんが、その他のサラ金からの借入れとかの残高を大幅にカットしてもらい、住宅ローンについては従来のまま、その他の借入れについては残額を36回で返済するとかいうことになります。
住宅を持っていない場合、手間暇、費用をかけて民事再生を申し立てるメリットはありません。破産を申し立てて、すべて返済しなくてよいこととすることが一番楽です。



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